月の欠損の話



とてもマニアックな話です。数年前、占い界隈に激しい賛否両論が巻き起こりました。占星術師マドモアゼル愛先生の「月の欠損論」が爆誕したからです。

月の欠損とは


いわゆる12星座占いは太陽星座を意味します。でも、ホロスコープを作ると誕生した瞬間の惑星の位置がすべてわかります。冥王星がここで、土星がここで……という詳しい星座表ですね。

ホロスコープの中には、もちろんお月さまもいます。この月星座、今までの占星術では「女性性」とか「あなたの本質」なんていわれてきました。

だがしかし、マドモアゼル愛先生はこう言います。「あなたの月星座は、あなたに決定的に欠けているもの、欠損です」。

これだけでも斬新極まりない考えなのに、なおかつ鋭いトドメを刺します。「あなたは自分の欠損を、本当の才能、得意なこと、使命だと勘違いしています」。

唯一欠けているものを、唯一の才能だと思い込んで生きている ?!

なんという恐ろしい苦行でしょう。人生が生きづらいのも当然です。

月の欠損の例


たとえば太陽が魚座の人って、ボランティア活動が苦にならないし、スピリチュアルな世界に極端な抵抗を感じることもないと思います。

他人が喜んでくれたら自分も心底嬉しくなるし、この世とあの世の境目も希薄。あと、動物や植物と普通に話してる人もいますね。

一方、月星座が魚座の人は……すごく似ているんです。似ているんだけどなんか違う。決定的に何かが違います。

多分、他人を喜ばせてるつもりが怒らせたり、最後の最後に逆恨みされることが多いのではないでしょうか?

スピリチュアルな世界を信じ切りたいがゆえに、高いセミナーにお金をつぎ込んだりもします。

太陽魚座は天然で、もともと見えない世界を知っているのに対し、月星座魚座は「見えない世界があると知っている」という幻を信じています。

これは後者をディスってるわけじゃなくて、常に「魚座っぽいアプローチ」にこだわってしまうということです。

月の欠損と私


月の欠損論を知った人の多くは、まず最初に抵抗してマドモアゼル愛先生に腹を立てます。

ひとり残らず、自分の特技や才能だと思っていたことを全否定されちゃうんですから。

私も同じパターンで、認めるまでかなり時間がかかりました。

私の月星座は双子座。双子座のシンボルは好奇心。

優れているのは頭の回転の速さ、機知に富んだ会話、好奇心、伝達、そして文才!

そうですライターに必須とされる文才です。それが、唯一の取り柄だと思ってたのに欠損してるわけですよ。

最初はショックでモヤモヤしましたが、「無いからこそ欲しい」という強烈な欲求なんだなあという結論に達しました。

月の欠損を自覚すると、人生の次のステージへ行けます。

好きな生き方をしているはずなのに生きづらい人は、自分の月星座を調べてみると、ちょっと面白いことになるかもです。