コピーライティングと俳句と短歌


最近は自治体のガイドブックやネットショップの商品説明といった仕事が続いていて、毎日やたらと楽しいです。どうしてだろうと考えたら、俳句や短歌が好きだからだと気がつきました。

コピーライティングの楽しさ

私はコピーライターではないので、1行書いて完了する仕事ではありません。

まず冒頭に短いキャッチコピーをつけます。観光スポットなら「レトロマンティックなカフェ」、商品なら「街のリズムを刻むシューズ」みたいな。

冒頭のキャッチコピー部分は太字で表示、続いて具体的な情報をコンパクトにまとめます。全部合わせても250から350文字くらいでしょうか。

めいっぱい制限された文字数を意識しつつ、イメージ喚起と正確な情報整理というまったく正反対の作業をするのが面白い!


日本文学と俳句と短歌

夏目漱石、三島由紀夫、宮沢賢治…… 多くの日本の文豪たちは、非常に若い頃に俳句や短歌を詠んでいます。

10代の少年時代から詠んでいて、青年期を経つつ小説家として名を馳せるというパターンが多いみたい。

俳句や短歌は、言葉の取り扱い方を身に着ける最高の鍛錬なのだと思います。その経験があってこそ、彼らは優れた小説家になれたのでしょう。


言葉が溢れる

もちろん、俳句や短歌を読めば即コピーライティングにつながるわけではありません。

ただ、少なくとも「言葉が足りない」状態からは脱出できます。むしろ「言葉が溢れてどうしようもない」状態になる。

私の場合、何も思いつかないときは寺山修司の歌集が非常に効きます。舞台や映画、エッセイにもそれほど惹かれないのに、なぜかこの人の短歌だけは好きでたまりません。

雑誌のコピーを参考にしたり、セールスコピーの勉強をするのもいいと思いますが、天気のいい日は書を買いに町に出るのもいいものだよ。